株式投資、基本をおさえよう

今年、年金だけでは老後2000万円が不足するというニュースに衝撃が走りました。少子高齢化社会の日本で、今後会社の業績が劇的に上がる見込みも薄く、そうなると給料の大幅アップも見込めない時代が到来しそうです。

言い換えれば、老後の資産は自分で作っていくしかないということです。そこで、多くの人が株式投資に目を向け、初心者向けの資産運用セミナーが増加傾向にあります。

一方で、「株はギャンブル」「知り合いが大損したと聞く」という声も後を絶ちません。老後資金が不足するとわかっている将来に向けて、何も対策をしないわけにもいかない現在、株式投資は正しい知識を持ち、石橋をたたいて渡れば、決して恐れるものではありません。そこで、株式投資の基礎知識をご紹介していきます。

株式とは

日本には10月3日現在、3676の会社が株式市場に上場しており、それぞれの会社の株式を購入した株主は会社の将来性に投資をしています。それゆえ、会社の業績に応じて配当金を受け取ったり、株主優待など自社の商品やサービスを優遇される特典を享受しています。

しかし、株式投資で資産を増やす基本は「株価が安いときに購入し、高くなったら売却する」というシンプルな構造であることをまず理解しましょう。では、どうやったら、株価が買値よりもこれから上がる会社を見つけられるのでしょうか。

株式で儲ける方法

そのヒントは2つあります。まずはテクニカル分析。株価の変動のチャートを見て、右肩上がりの会社を選ぶことが重要です。

株価が最近あがっているということは、その業績や将来性、または財務の安定性などが多くの投資家に支持され、その株が買われているということなのですから。

万年赤字で、今後も業績の好転が見込めない会社ならば、誰もがその会社の先行きを不安視し、その株を買いたいとは思わないでしょう。だから、右肩上がりのチャートを持つ会社を探し出すことが第一歩なのです。

続いて重要なのは、ファンダメンタル分析です。それぞれの会社の財務体質や現在の業績、将来ブレイクスルーのきっかけになりそうな事業を展開しているか、などを分析し、企業の採点簿をつけるようなものです。

これからの時代のニーズをつかんだビジネスを展開している、もしくは展開する予定がある企業でも、それを実現するための財力がなければ、絵にかいた餅に終わってしまいます。

それだけに、財務諸表や企業決算書を読み込み、将来の事業の実現可能性や、提携企業、現在の実力を理解していくことは、どの企業に投資すべきかの判断を大いに助けてくれます。

株式で損する原因

ギャンブルだとか大損だとかいうのは、タイミングを理解していないということ。株価は多くの場合、右肩上がりに一直線に上がっていくのではなく、上がったり下がったりといううねりを繰り返しながら、比較的長い時間をかけて上がっていく性質のものです。

その下がった時を見計らって、これだと目をつけている会社の株を買い、うねりの頂点の付近で売却できれば、その差額が利益となります。

これを理解せず、みんなが買っているから上がるだろうとニュースで騒がれたときにその株を慌てて買えば、下の安値で買っている人にとって格好のカモになります。長期投資家はうねりの底で売っているので、ニュースで慌てて、その銘柄を買いに来た「新参者」に、まんまと買値より高く売りつけることが出来るのですから。

だからこそ、このうねりのタイミングを理解するために、チャートのテクニカル分析と将来、「新参者」が買いに来る材料のある企業を見分けるファンダメンタル分析が不可欠なのです。これを冷静に繰り返せば株式投資で資産を増やすことが出来るでしょう。